東京エスオーシー梶@芝浦工場
銭高組 梶@技術研究所
錢高組(本社・大阪市)と東京エスオーシー且ナ浦工場は共同で開発した超高強度コンクリートの国土交通大臣認定を取得した。
2000年6月1日から施行された建築基準法で定められた告示1446号により、建築物にJISA5308(レディーミクストコンクリート)に規定されていないコンクリートを使用する場合には、指定性能評価機関において材料性能評価を受け、国土交通大臣の認定を取得することが必要となった。
両者はすでに平成13年9月に圧縮強度33N/mm2〜70N/mm2までの高強度コンクリートの材料性能評価の大臣認定を取得していたがこのたび120N/mm2までの強度に拡張したことにより、経済性に優れる鉄筋コンクリート造で高さ200m級の超高層建築が可能となった。
材料性能評価を取得するに当たり、使用材料の結合材には、低熱セメントとスラリー状のコンクリート用シリカフュームを用い、粗骨材は硬質砂岩砕石を使用している。又通年の施工を想定し構造物を模擬した試験体柱を用いて冬期、標準期、夏期の3シーズンの各2回、実機プラントで実験を繰り返し品質管理方法を確立し、超高強度コンクリートを安定して製造できるようになった。
超高強度コンクリートのメリットとして超高層下層階の空間を広く利用でき、長大スパン化を必要とする構造にも適用できる。
またS造やCFT造に比べ揺れが少なく耐震性に優れ、コンクリート組織が緻密なため耐久性に優れ長寿命である。
設計基準強度120N/mm2領域までの大臣認定を取得したのは、まだ数例しかなく今後大都市圏を中心に営業展開していく予定。超高強度コンクリートは東京エスオーシー芝浦工場のみで製造される。両者は60階建て程度の超高層建築物の適用を目指し準備を進めている。
コンクリート工業新聞 2003年1月号より抜粋